歯の話

ハミガキ時のみがきすぎにご注意〜歯肉退縮・知覚過敏・根面う蝕につながります

ハミガキといえば、「よくみがきましょう!」と言われることがほとんどですよね。

歯磨きをする男の子のイラスト

というのも、ハミガキが不十分であることが多いのが背景にあります。

2014年にライオンが行った調査によると、
「ハミガキが自信がない人」のうち80%の人がハミガキが不十分であり、
「ハミガキに自信がある人」のうち81%の人がハミガキが不十分であったという
ハミガキに関する不都合な真実があります。

(ハミガキの自信の有無は、ハミガキの出来の良し悪しに関係がないということも興味深い点ではありますが。)

ほとんどの人がハミガキが不十分が現実があるので、
「しっかりみがきましょう!」と言われるわけです。

しかし、みがきすぎも、それはそれで問題であるというのが今回のお話。

ハミガキは、適切な力でブラシを歯・はぐきのきわに当て動かすことで正しくみがくことができます。

適切な歯ブラシ圧は150〜200gくらい。

ブラシの毛先が軽くたわむくらいです。

意外と弱い力なのです。

ハミガキでとるべきプラーク(歯垢・細菌のかたまり)の硬さは、チーズか豆腐くらい。
なので、強い力をかけてみがく必要はありません。

歯ブラシの毛が大きく曲がるくらいの強さでハミガキすると何が起こるかというと、
歯茎にすり傷ができます。

擦り傷のイラスト

すぐに不適切なハミガキをやめ、しばらくまでば歯茎のすり傷は治るのですが…

過剰な力で磨いていることに気づかず、長期間にわたってオーバーブラッシング(強い力で磨きすぎ)が続くと、
「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」=歯茎やせ
が起こります。

歯肉退縮が起こってしまうと、
歯の根の表面が見えてしまい知覚過敏になったり、
歯の根の表面は歯の頭の部分よりもむし歯になりやすいので根の部分にむし歯ができてしまったり、
見た目が悪くなったりなど色々なトラブルにつながります。

そして、大きな歯肉退縮が起こると元にはもどりません。

なお、過剰な力のほかにも、みがく回数が大きすぎることもオーバーブラッシングの原因となります。

ハミガキの回数は一日2−3回で十分です。

健康を守るためにハミガキをしているのですから、ぜひ正しくハミガキしてくださいね!