歯の話

てんこ盛りの歯科治療武勇伝は誰も幸せにしない〜親知らず・むし歯

こんにちは!

歯の治療って勇気いりますよねぇ.

わかります.

「いやぁ,この親知らず,抜かないといけませんねぇ.次やりましょう.」
「むし歯が深いので,神経までいってそうです.次回,麻酔をしてやりましょう.」
とか言われると,次回の受診はどうしても構えてしまいます.

そこで,安心のために周りの友人・知人の体験談を聞いてみると...

「親知は大変だったね!抜くのに時間がかかったし,すごい音がしたし,何より抜いたあとは痛過ぎで話せないし食べられなかった.顔も人に会えないくらい腫れたしね!がんばって!」

「神経とったことあるよー!麻酔全然効かなくて,気失いそうになったわ.気合で頑張ったけどもう二度とやられたくないね.」
などなど,大盛りの武勇伝を聞くことが多かったり.

しかし,ちょっとまって.

その武勇伝,誰得でしょうか??
話のネタにはなりますが,以下の理由で全員が不幸になるので,オススメできません.

・本人と友人・知人とは状況が違う→処置内容・その後の状況は必ずしも同じでない 
・痛い・怖い話は印象に残るので気をつけないと盛り気味になる
・聞いた話と違うと話手は信用を失う
・煽られた恐怖心で痛みが増す・カラダにストレスがかかる→処置中に本人が苦しむ・処置のリスクが上がる
・治療の必要度は変わらない

・受診の妨げになる→治療が遅れると処置が大変になることがほとんど

歯の治療を受ける本人のためを思うなら,
痛み・苦しみ系の体験談は控えめに,治療の必要性・重要性を伝えるような話の流れにするのが望ましいです.

例えば,
「親知らず,抜くのは大変だったけど,腫れたり痛みがでたりといった心配事がなくなって,今では調子が良いよ.私と状況が違うと思うけど,頑張ってね!」

「じっとしていてもズキズキ痛かったから,むし歯・歯の神経の治療をしてもらってよかったよ.痛いときに治療すると麻酔も効きづらいそうだから,今のうちに治してもらうといいよ.」
というような感じでしょうか.

不安が強い感じであれば担当歯科医師にもよく相談してみるようにやさしくすすめてあげてください.

本人が健康になるようなアドバイスをしてあげるのが真の友人・知人です.

大盛りの歯の治療武勇伝は誰も幸せにしないというお話でした.

それではまた.