人間関係

「精神科医が見つけた 3つの幸福」(著:樺沢紫苑)〜読んで「天職」に気づく

『精神科医がみつけた3つの幸福』は、
精神科医・ベストセラー作家である樺沢紫苑先生の新刊です。

脳科学を根拠として、科学的に幸せの組み立て方を解説した明快な一冊です。

本書によると、幸福は大きく分けて以下の3つに大別されます。

・「心と身体の健康」ーセロトニン的幸福
・「つながり・愛」ーオキシトシン的幸福
・「成功・お金」ードーパミン的幸福

これら3つをバランスよく満たすことが幸福であるということは、誰しも漠然と理解しているかもしれませんし、それぞれの重要性を説いた書籍は多数あります。

しかし、本書が画期的な点は、
これら3つの幸福をピラミッドのように組み立て、それを全体として大きくしていくことが大切であるということを脳科学をベースに解説し、具体的な方法を提示しているところであります。

「心と身体の健康」(セロトニン的幸福)を土台とし、その上で「つながり・愛」(オキシトシン的幸福)を育み、「成功・お金」(ドーパミン的幸福)にチャレンジしていく。

例えば、自分と家族、周りの人々の健康を保ちよろこびながら、家族との愛を深め、友人とのつながりに感謝し、他者貢献を実現しながら成功していくことが幸せになるということであるのです。

私がこちらの本を読んで、もっとも響いた部分について紹介しようと思います。

私は歯科医師で、働き方としては比較的ホワイト。

毎日、夕方6時〜7時には仕事が終わり、休みの日は決まっており緊急呼び出しなどもないので、家族と過ごす時間も設けやすい状況にあります。

比較的時間もあるので、好きなテニスをしたり、散歩をしたり、趣味にうちこんだり、歯科に関する情報発信をすることもできます。

また、収入も相応にあるため、ありがたいことに生活に困ることはありません。

上記の内容を読まれた方は、「なんて幸せなんだ!時間もお金も家族も満たされているじゃないか!」と思われる方も多くおられるかもしれません。

しかし、私はどうしても仕事に関して深い部分で納得できないところがあり、そこに関しては「幸せなのか?」と自問自答していた部分がありました。

毎日、同じような病状の方が来られる。治療をして、よくなって感謝をされる。それはそれでうれしいし、自分の仕事のタスクでもある。

とはいえ、毎日、毎日、同じことの繰り返し…これをあと何十年も続けていくのか…と思うと、なんとなく気持ちが重たくなっていました。

そこで、日頃の臨床から得られたヒントをもとに、数年前からインターネットで歯科疾患を予防する情報発信を始めたわけです。

その情報を受けた方々から、「参考になりました」「歯科医院に行くようにしました」「ありがとうございました」という言葉をいただき、仕事に関する気持ちはかなり前向きになりました。

でも、何かが足りない…

今回、『3つの幸福』を読んで、その足りない部分に関して気づいて「はっ!」としたのです。

それは、
「毎日の自己成長を味わう」(P265)
です。

人は毎日、新しいことを身につけていて、その自己成長を喜ぶことがドーパミン的幸福を手に入れる方法であるというのです。

確かに、新人の頃は、毎日が目新しく、日々の自己成長に喜々としていましたが、歯科医師となって15年たつと、すっかりその喜びのことを忘れていました!

「残念なのは、せっかく毎日、自己成長しているのに、ほとんどの人はそれに気づいていないことです。」(P266)

はい、私のことです(笑)

思い返してみると、例えば、難しい抜歯処置を滞りなく実施することができるようになってきているなど、ここ1年でもかなり成長しています。

若手を脱し、中堅〜ベテランになってくると、おもてむきは何事も「できて当たり前」になってきます。
また、新人のような劇的な成長はありえません。

だからこそ、日々の小さな成長を意識的に喜ぶということはかなり大切です。

これに気がついてからは、仕事が楽しい!今日も成長している!と幸せになります。

日々の仕事の中で自己成長に気づき、感謝していただき、情報発信を通じてさらにひろく他者貢献できる自分の仕事は天職であると今は感じています。

すっかり忘れていた仕事の中での「自己成長」の喜びを思い出させてくれた樺沢紫苑先生に感謝です。

さいごに〜
『3つの幸福』は、今、身近に飛んでいる幸福の青い鳥に気づかせてくれますし、これからどのように幸福を組み立てていけばよいかわかる一冊なので、おすすめです!