藤井英雄 マインドフルネス「人間関係」の教科書
読了.
藤井英雄先生の『マインドフルネスの教科書』の続刊です.
マインドフルネスを人間関係に応用するための実践編といえる内容になっています.
マインドフルコミュニケーションを理解するには,
「マインドフルネスとは何か?」を押さえておく必要があります.
ざっくり説明すると,
- 「今,ここ」の現実をリアルタイムかつ客観的に気づいていることで,客観視する技術
- これまでの自分の経験や自己肯定感によって培われてきたフィルター(潜在意識)を通して,自動的に目の前の現実に対する感情は生成される.
マインドフルネスではその感情に気づくとで,反射的に反応することなく納得して意思決定を行うことができる.
さらに細かく知りたい方は,とりあえずこちらの記事を↓,
そして,藤井英雄先生の「マインドフルネスの教科書」をお読みください.
それでは,私が抱いた疑問に答える3つのQ&A形式で,本で紹介されているマインドフルネスコミュニケーションについて説明していきます.
コンテンツ
1,マインドフルコミュニケーションとは?
マインドフルネスに基づいて,「アサーション」と「傾聴」を場合によって使い分けて自分に正直に自己肯定感を高めながら,自分と相手の間にWIN=WINの関係を構築していくコミュニケーションです.
アサーション:自分も相手も大切にする正直で率直な自己表現
ポイントは,
・「私」を主語にした表現
・自分への直接的な影響を述べる
・「今,ここ」の客観的事実だけを述べる
自分が「困っていること」について,相手に批判的にコメントしていしまいがちですが,客観的にI(アイ)メッセージで発信することが重要です.
例)
OK 「私はタバコの煙が苦手なんです.どうしても喉が痛くなって頭が痛くなってしまって困るのです.」
NG「私がタバコを吸わないで嫌いなの知ってるのに目の前で吸うなんて思いやりがないのね!」
傾聴:相手に関心を持ち,相手を理解したいと願って,耳を傾けて相手の言葉を聞くこと
・感情に寄り添う
・同意も批判もしない
・アドバイスはしてはいけない→相手への批判につながるから
私もそうなのですが,話を聞いていると,
「え?それってこうしたらいいじゃん.なんでやらないの?こうしたらいいのに.」とアドバイスをものすごーーくしたくなります.
しかし,「現状を変更すべきだ」という表面的なアドバイスは「今のあなたの習慣ではダメだ」と間接的に批判することになり,相手の立場や状況や感情の理解から遠のきます.
そのため,アドバイスは傾聴では禁物なのです.
2,なぜ「アサーション」,「傾聴」にマインドフルネスが必要なのか?
アサーションを行うには,「こんなこと言っても大丈夫だろうか」「相手を傷つけてしまうのでは」という不安や罪悪感を抱きがちです.
その感情に気づいて適切に処理する必要があります.
また,うまく傾聴するためには,「アドバイスしたい」という自分の気持ちに気づいて,流していくのがポイントです.
そこで必要なのが「マインドフルネス」なのです.
自分のフィルター(潜在意識)を通して反射的に生成される様々な感情に,できるだけ客観的に気づくことが感情処理の第一歩になるからです.
3,アサーションと傾聴の使い分けは?
アサーションは,「私が困っている」プロブレムに関して対応するときに役立ち,
傾聴は,「あなたが困っている」プロブレムに関して対応するときに役立ちます.
「私も困っているし,あなたが困っている」プロブレムについて対処するときは,アサーションと傾聴を組み合わせて取り組みます.
何か問題が発生している時に,
「一体,誰が困っているのか?」
「この問題で誰が最終的な結果を受け取る責任が発生するのか?」
をまず考えることになります.
「誰の問題なのか?」を考える際には,アドラー心理学の「課題の分離」も役に立つかもしれません.
アサーション,傾聴を実践するとマインドフルネス能力が強化される
上にも述べたように,効果的なアサーション,傾聴を実践するには,マインドフルネス能力を発揮していく必要があります.
マインドフルネス能力のトレーニングは,できるだけ多くの機会に長時間マインドフルネスの状態でいること.
アサーション,傾聴の場面で,マインドフルである機会が増えれば増えるほど,マインドフルネス能力はトレーニングされて強化されていきます.
アサーション・傾聴・マインドフルネスはそれぞれが手を繋いだ輪のような関係になっているのです.
さいごに
アサーション,傾聴,マインドフルネスは,相手も大切にしながら,自己肯定感も高めつつ,人間関係を円滑にできます.
私の場合は,傾聴が苦手ですが,それぞれの人にそれぞれの人生背景があるので,違ったところに苦手ポイントがあると思います.
客観的に感情の苦手ポイントを発見し解消していくことで,マインドフルコミュニケーションが実践できるようになっていくに違いありません.
マインドフルネス,マインドフルコミュニケーションに少しでもでも興味を持たれた方は,ぜひトライしてみてください.
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