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『人体大全』(ビル・ブライソン)
(原題『THE BODY: A GUIDE FOR OCCUPANTS』)
私をはじめ医療関係者はある程度、解剖学や生理学、生物学などで人体についての知識は持ち合わせてはいるものの、それらはある意味「無機的」「記号的」「実務的」な捉え方をしている部分が多いでしょう。
こちらの著者は、ユーモアたっぷりの旅行エッセイや科学に関する著作で有名なノンフィクションライターのビル・ブライソン氏。
視点が違うのと、著者の表現力、文章力で、
人のからだについて「有機的」で「意味を持った」知識が得られます。
“表皮の最も外側の表面は「角質層」と呼ばれ、全て死んだ細胞でできている。ヒトを美しく見せるすべてが死んでいるという事実には、奇妙な感慨を覚える。体が空気に触れる部分については、わたしたちはみんな死体なのだ。”
角質層についてその性質を知っていても、なかなかこんな興味深い表現はできないものです。
500ページほどありますが、サクサク読めます。