歯周病といえば歯科の2大疾患。
「歯石の沈着がある」
「歯周ポケットの深さが4mm以上」など
何らかの歯周病の症状がある方は、
20代でなんと約70%もおられるとのこと。
(2011年歯科疾患実態調査より)
歯周病は歯を失う病気ということはご存知かもしれませんが、失うものはそれだけではありません。
歯周病で失うものについて今回はとりあげます。
コンテンツ
歯周病で歯以外に失うもの
【骨】
歯周病は歯周病菌によって、歯を支える組織である骨、はぐきなどが失われる病気です。
ここで注目すべきは「骨が失われたあとのこと」です。
骨が失われると、その後の治療にも影響を及ぼすのです。
歯がなくなってしまった部分を入れ歯で治す場合、入れ歯が安定してよくかめるかどうかは、その部分に骨があるかどうかが重要になります。
骨がなくなってしまった部分は、歯ぐきの形が平たくなってしまい、入れ歯を安定させるのが難しくなります。
また、歯科用インプラントで治療する場合にも、その部分に骨があるかどうかがポイントになります。
インプラントは骨に打ち込んで、骨で支えるものですから、インプラントを埋め込む部分に十分な高さ・幅の骨が必要になります。
歯周病で失われた骨の高さを増す治療法は、
「自分のどこかの骨を移植する」、
「人工的な骨に変わる材料を埋め込む」、
「牛の骨を移植する」
などの方法があげられますが、いずれも手術をともなうもので、簡単な方法とはいえません。
【全身の健康】
歯周病が全身の病気を関係があることは、明らかになりつつあります。
なかでも糖尿病との関係がよく知られています。
歯周病が悪くなると、糖尿病も悪くなるし、
糖尿病が悪くなると、歯周病も悪くなります。
糖尿病の三大合併症といえば、
「腎症(腎臓の機能が落ちる)」
「網膜症(目が見えなくなる)」
「神経症(痛みを感じない)」
ですが、歯周病も大きな合併症のひとつとして考えられるようになっています。
ほかにも、肺炎、脳・心血管疾患、腎炎、関節リウマチとの関係や、
最近では、ある歯周病菌がアルツハイマー認知症と関連する可能性も指摘されています。
【お金・時間】
進んでしまった歯周病の治療は、思いのほか、治療期間が長くかかり、そのため費用もかかります。
重度の歯周病となると、歯周病の治療を数ヶ月〜年単位で行って、歯のなくなった部分を補う治療をして、、、と年単位の治療となってしまうことも少なくありません。
一方、ごく初期の歯周病であれば、数回通院したのちに年に2−3回の定期検診にうつることができます。
まとめ
歯周病で失うものは、歯だけでなく、その後の治療オプションであったり、全身の健康、お金や時間など、さまざまなものがあるということがおわかりいただけましたでしょうか。
逆に、歯周病ケアをすると、歯や骨は失われず、全身の健康を維持増進し、大切なことに時間やお金をついやすことができます。
歯周病ケアをして、毎日を楽しく送りましょう!