歯の話

歯科治療が1回で終わらない5つの理由

「歯医者はちょっと苦手」
「なかなか忙しくて歯医者に行けない」
という方は、きっとこう思っておられると思います。

「歯科治療はできるだけ短期に、できれば1回で終わってほしい」
「なんで歯科治療は1回で終わらないんだろう?」

実際に、ごく初期の虫歯が一本だけあるような場合を除き、歯科治療が1回だけで終わることはまずありません。

ということで今回は、歯科治療が1回で終わらない件についてご説明しようと思います。

いくつかの理由がありますので、順番にご紹介していきましょう。

理由その1:歯科技工物の制作期間が必要なため

つめものや被せものの一部では、チェアサイドでの光学印象→CAD/CAMでの即日制作が実現しています。

しかし、機器が高価であったり、院内技工士の常駐が必要であったりと、なかなか普及はしていません。

また作ることができる技工物が限られているため、
すべてのものを即日で作ることは不可能です。

歯科技工所につめもの、かぶせもの、ブリッジ、入れ歯などの製作を外注する場合は、数日から数週間程度かかるのが一般的です。

 

理由その2:患者さんの負担を考えて

歯科医師側は、3時間でも4時間でも治療しつづけることはできます。

ただし、患者さんがそれだけ長い時間、くちを開け続けるのは負担。

あまり長い時間くちを開けて治療を続けると、顎の関節である顎関節やくちを開け閉めする筋肉に不調が生じ、顎関節症になる可能性があります。

くちの開け閉めのときに痛みが出たり、くちが開かなくなったり。

また、歯科治療は体にかなりのストレスがかかります。

慣れない歯科医院に来た緊張や、痛み、麻酔薬の作用で血圧が上がったり下がったり。

長時間の歯科治療は、たとえ健康な方であっても、体にも負担が大きいのです。

 

理由その3:経過観察のため

治療の効果を判定するには、しばらく時間をおいて見る必要があります。

例えば、神経に近い深い虫歯であった場合、虫歯を取ったあとにセメントを置いて、後日、神経に異常がないか様子をみることがあります。

異常がなければ型をとって、つめものやかぶせものを作ればいいですが、著しい痛みなどがあれば神経の治療を追加すべきか判断しなければなりません。

そして、根の治療をしたのなら、その後、痛みがおさまったか、根の先の病気が治っているかを確認します。

歯周病治療なら、処置の効果や反応性はどうか、さらに踏み込んだ治療をすべきか判断します。

数本の歯にわたる長いブリッジ予定であれば、仮歯を入れて、こわれたりはずれたり、舌や頬を噛んだり、歯に負担がかかりすぎたりといったような問題が起こらないか使ってもらって確認します。

また、抜歯した後、ちゃんと傷が治ってくるか経過観察します。

以上のように、経過観察する必要がある場合は、受診は複数回にわたります。

 

理由その4:必要十分な情報提供のため

たとえば、歯周病の治療であれば、病気の原因、病態、セルフプラークコントロールの方法、治療方法、メインテナンスの重要性などなど、病気や治療法や行動変容方法などについて、多くの情報提供を行います。

治療ごとに、順を追って、患者さんの理解度を確認しながら説明していきます。

膨大な情報を一度に、3〜4時間の講義でやっても。。。
おそらく、患者さんの頭にはほとんど知識として残らないと思います。

脳科学的に、一度に覚えられるのは3ポイントまでとも言われています。

そのときに提供すべき情報は何かを判断しつつ、厳選しながら、根気よく治療ごとにお伝えします。

歯科治療が成功するポイントは、患者さんの正しい知識の蓄積と行動変容でありますので、適切な情報提供は非常に重要です。

 

理由その5:やる気・モチベーションを上げるため

歯科医院に来た直後は、
「あぁ、やっぱり歯は大切だ!ハミガキは大切だ!ちゃんと歯磨きしよう!」
と思われることでしょう。

しかし、1週間、1ヶ月、3ヶ月たつと。。。
歯のことは忘れていくと思います(笑)

そこで、例えば4ヶ月毎に定期検診があると、
「あぁ、やっぱり歯は大切だ!!ハミガキは大切だ!!ちゃんと歯磨きしよう!!」
と気持ちが高まるわけです。

どうしても下がってしまう歯の健康を守る気持ち・やる気を高い状態に保つためには、定期検診、複数回の受診は効果的なのです。

 

さいごに

歯科治療は1回で終わらない理由については、以上のとおりですが、いかがでしたでしょうか?

なお、歯科治療を1回で終わらせることはできませんが、歯科医院に行く頻度を減らす方法はあります。

それは、
「アクティブな歯科治療を終わらせて、定期検診で受診する」
です。

定期検診になれば、数ヶ月に一回の受診ですみます。

必要な治療は受けて、あとはときどき検診のために歯科受診するのが理想ですね。

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