ライフログ

新しく歯科医師になったあなたへ送るメッセージ

2018年度の第112回歯科医師国家試験に合格された新歯科医師の皆様、
おめでとうございます!

合格率は63.7%と超難関。

少し前から、歯科医師国家試験は「通る」試験ではなくなってしまいました。

これから夢いっぱい・希望いっぱい、そして4月の新生活スタートまで
一息つかれることと思います。

さて、新歯科医師、新社会人となる方々へ、歯科医師歴12年の私から、
勝手ながらメッセージを送らせてください。

 

コンテンツ

ノートに記録しよう

多分、これまで、必死に歯科医学・医学の勉強をされてきたことでしょう。

これから、1年の臨床研修期間があります。
その間は、触れるものをどんどん吸収してください。

どうすればいいかというと、
とりあえず「ノートを1冊」用意してください。

そして、毎日、
学んだことを3つだけでいいので、
書いてください。

え?3つでいいの?と思われるかもしれませんが、
365日、1年で1095個の学びが得られ、確実に成長します。

 

学びを記録するノートのとり方は、
前田裕二さんの『メモの魔力』という本で紹介されている方法が非常に役にたちます。

『具体(気づいたこと・学んだこと)→抽象化→転用(応用)』の流れで、
情報を知識に転換できます。

詳しくは『メモの魔力』を参照してみてください。

 

どこに軸足を置くか考える

すべての領域の医術を神レベルで使いこなす
「ブラックジャック」や「ドクターXの大門未知子」にあこがれて、
歯科医師になった方もおられるかもしれません。

しかしながら、実際は、私達が持っている時間には限りがあるため、
彼らのように全領域をマスターするのは不可能です。

となると、
どこに自分のパラメーター、能力値、時間を振り分けるかが重要です。

こに軸足を置くか、自分の専門性をどこに設定するかを考える必要があります。

現実的には、自分の専門領域は100点満点、他領域は80点を目指すことになります。

自分が何をしたいのか?
自分のヴィジョンはなんなのか?
を見つけるのはなかなか大変。

これから出会う・触れるものごとに対して自分はどう感じるかということをヒントに、
あせらずゆっくり考えてみてください。

感じたことをノートに書いておくといいでしょう。

なお、専門性があると、自分の心が折れそうになったときに、
よりどころにもなります。

自分も迷ったときは、
自分の立ち位置、歯周病・歯内療法・保存修復学に戻って考えるようにしています。

 

月1冊読書をしよう

そして、月1冊でよいので、読書をしてほしいです。

歯科医学・医学の勉強は、かなりしっかりされていると思いますが、
これからあなたが接する患者さん、同僚、先輩は、
いろいろな年齢層・考え方を持っています。

歯科医師の6年のカリキュラムでは、
「人と接する方法」「生きがいの見つけ方」「大人の勉強法」
など、しっかり学ぶことは残念ながらできません。

研修がはじまってすぐに、人間関係で「あぁ、これは悩ましい」ということが
必ず生じます。

そのキーワードを、Amazonの書籍検索に打ち込んでみてください。

きっとその負を解決する本にめぐりあうことが出来ます。

あなたが感じる悩みのほとんどは、先人が解決策を練ってくれています。
インターネットで検索して断片的な情報を得るより、
本を1冊読んで知識を得るほうがよいでしょう。

 

自分の健康から守る

あとは、ご自身の健康管理に気を配ってほしいです。

あなたはおそらく20代前半。

徹夜して勉強しても遊んでも、とても元気だと思います。

しかしながら、30代後半から無理がきかなくなります。

1晩徹夜すると、3日くらい調子が悪いです。
風邪をひいたりします。

また、無理をし続けていると、30代では毎月、熱やせきが出るようになったり、
40代、50代では、生活習慣病になったり、うつになってしまったりします。

人様の健康を守るためには、まずはご自身の健康を守ることが大切です。

・7時間以上の睡眠時間を確保する
・週に2度、1時間程度の有酸素運動をする
・3食バランスのよい食事をとる

これだけでもずいぶん調子よく元気に活動できます。

 

人に会う

そして、たくさんの異業種の人と会うチャンスを作って欲しいと思います。

私達、歯科医師は、
注意しなければ、
気がついたら周囲はみんな歯科業界の人だった。。。
ということがあります。

同じ業界の人とのみお付き合いしていると、
どうしても視野狭窄してしまいます。

ぜひ積極的に異業種の方々と若い頃からお付き合いするのをおすすめします。

多くの視点・考え方をとりこむことができて、
歯科医師としても幅が劇的に広がります。

いまはインターネットが発達していて、交流も容易です。
単に異業種交流会というものよりも、
「〜〜勉強会」や「仕事術サロン」「〜〜塾」といった、
ある方向に向かって自己成長するコミュニティに所属するのも良いと思います。

 

さいごに

上に書いたことは、私自身が、
「もっと早く・若い頃に気づいていればよかった!」と思うことばかりです。

どれか一つでもやってみよう、参考になったというものがあれば、
幸いです。

さいごに、
これから、すばらしい歯科医師として人としてどんどん立派に成長していかれることをご期待申し上げます。

歯科医学・医学界については色々言われることもありますが、
私は希望しかないと思っています。

ようこそ!ぜひ一緒にすべての人の歯・くち・全身の健康を守っていきましょう。

 

困ったことがあれば、私で良ければ何でも相談してくださいませ。

それでは。