58冊目,
岸見一郎 子どもをのばすアドラーの言葉
読了.
教育において,アドラー心理学では「叱ってはいけない,ほめてもいけない」といいますが,「じゃあどう接すればいいのか?」ということがなかなかわかりにくい部分です.
自分も2人の子の親となり,接し方について悩むこともある中でこの本を手にしました.
- なぜ叱ってはいけないのか?
- なぜほめてはいけないのか?
- 子育てするにあたってどのよう子どもに接すればいいのか?
この本ではこれらの疑問について主に勉強に関する具体例を交えてわかりやすく解説しています.
コンテンツ
なぜ叱ってはいけないのか?
→
叱っても行動変容につながらないから.
叱ることで親子の関係性が悪化するから.
いくら叱っても子どもの行動が変わらないのであれば,叱ることは子どもの行動を変える方法としては適切ではありません.
叱っても行動が改まらない理由は,「親の注目を得るために,叱られることを子どもが願っているから問題行動をやめない」からです.
つまり,叱るからやめない.
叱るという感情を持ち出して子どもの課題に土足で踏み込めば,関係性が悪くなるばかりで一向に前に進みません.
ではどうすれば?
→
叱らずに,知らないのであれば対等な立場で普通に言葉で説明する.
時間はかかりますが,言葉を尽くして問題を解決していくことを子どもには学んでもらいたいものです.
即効性を求めて怒りの感情を使っても意味がありません.
次に,なぜほめてはいけないのか?にうつりましょう.
なぜほめてはいけないのか?
→
ほめないと適切な行動をしなくなるから.
「ほめる」とは,立場が上の者が下の者にする評価です.
ではどうすれば?
→
貢献に注目して言葉をかければよい.
「〜してくれてありがとう」
子育てするにあたってどのよう子どもに接すればいいのか?
→子どもと良好な関係を保ち,子どもが自立できるように必要な援助を行う.
子育て,教育は,将来的にこどもが「自立」できることが目標です.
子どもは立場は大人と対等です.ただし,大人と違って
- 知識,経験が少ない
- 自立できていない
ため,こどもが自分の人生を決めていけるように自立するためには「援助」が必要です.
親としてできるのは,叱るのでもほめるのでもなく,
子どもが自立するための「援助」をすることだけです.
岸見一郎先生が考える3つの自立の条件
- 自分で決められる
自分の課題(決めなければならないこと)に関して責任を持って自分で決められる. - 自分の価値を決められる
ありのままの自分に価値があると思える.これは,自分の課題に取り組もうとする勇気につながります. - 自己中心性からの脱却
共同体感覚を持てるようになる.
援助ができる前提をととのえる
- 対等な立場で関係を良好に保つ
そうすれば,親の助言を気持ちよく受け入れてくれる
相手の課題に土足で踏み込んではいけない.(☓勉強しなさい!) - 信頼する(無条件で信頼する)
信頼してくれる人を裏切ることは難しいものです.
子どもが自分の課題を自力で解決できると信頼する.(援助はOK)
親からみて問題と思える子どもの言動にも,必ずよい意図があります. - 尊敬の念を持つ
子どもの人格を傷つけるような言葉は言わない
丁寧に話す(命令しない,お願いする.)
子どもが自分の課題に取り組みつまづきそうになっている時に,親ができる声掛けは
「何か私にできることがあればいってね.」
です.
協力できるのは,子どもからの援助依頼があってからです.
いつでも援助ができるように子どもとよい関係性を築いておく必要はあります.
さいごに
アドラーの子育てに関する考え方は,とてもシンプルでわかりやすいです.
アドラーを知れば,「何を基準に考えたらいいのかわからない」という悩みは解消し,「アドラー心理学の立場で考えるとすればどうすればいいのだろう?」という安定した立ち位置で考えることができるようになります.
子育てで悩まれている方は参考にしてみてはいかがでしょうか?
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