小説

久坂部羊 第五番 無痛II

久坂部羊 第五番 無痛II

第五番 無痛? (幻冬舎文庫)

読了。

久々に文庫本で600ページ近い小説を読みました。
これはこの前放送されていたドラマ「無痛」の原作の続編にあたる作品です。

過去、コレラエイズエボラ出血熱新型インフルエンザ、新疾患が流行すれば医療に割かれる予算は大幅に増額され、人々は医師にすがり、医業の重要性を再認識する歴史を繰り返してた歴史があります。
今の日本の医療は、絶対の安心を求められる国民性、勤務医の激務化、開業医の競争激化、地域医療の破綻などの医療崩壊が進みつつあります。
そんな日本で、あらゆる治療が著効せず数日で全身に転移し死に至る「新型カポジ肉腫」が数ヶ月で日本の各地に多発します。人々は恐慌し、医療の重要性を再認識し。。。と話が進みます。
(小説なのでもちろん全てフィクションです。)

物語の中盤の、主人公の為頼がWHOの医師の権威と医療を守るという関連組織から陰謀の勧誘を受けるところから話が急展開していきます。

ドラマでは亡くなってしまったイバラ君やあの重要人物も登場します。

現実と小説がわからなくなるくらい、現実の問題に基づいたフィクション作品で没入感がよい感じでした。
各場面、人物の描写も目に浮かぶように細かく躍動感があります。

ドラマの原作の無痛や、久坂部羊先生の他の作品もよんでみたいなぁ。