小説

川口俊和 コーヒーが冷めないうちに

37冊目,
川口俊和 コーヒーが冷めないうちに

コーヒーが冷めないうちに

コーヒーが冷めないうちに

読了.

私がゲットした本の帯には15万部のベストセラーって書いてますが,
2016年7月累計発行部数が28万部を突破しています.

近年,サンマーク出版発の書籍が勢いがあってすごいです.

時間を飛び越える系の話が好きで,この本をゲットしました.

物語の中で,過去に戻れるという喫茶店が出てきます.

しかし,簡単にタイムトラベルできるわけではなくて,

かなり条件がシビア.しかも過去に戻っても行動が制限されていて自由度が低い.

プロローグに書いてある「非常にめんどくさいルール」だけここに紹介します.
1,過去に戻っても,この喫茶店を訪れたことのないものには会うことができない
2,過去に戻ってどんな努力をしても,現実は変わらない
3,過去に戻れる席には先客がいる
その席に座れるのは,その先客が席を立った時だけ
4,過去に戻っても,席を立って移動することはできない
5,過去に戻れるのは,コーヒーカップに注いでから,そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ
面倒なルールはこれだけではなくて,あといくつかあります...

一読しただけではルールが細かすぎで理解できませんでしたが,ストーリーの中で何度も説明してくれるような場面が出てくるので大丈夫でした.

行動に制限が多いし,戻った過去に滞在できる時間はものの数分,さらに過去で何をしようと未来は変わらないなら,過去に戻る意味なんかないんじゃないか?と思われるかもしれませんが,それは違います.

ヴィクトール・フランクルの言葉で,スティーブン・コヴィーが著書「7つの習慣」で引用している『刺激と反応の間にはスペースがある』に照らして見ると,
戻った過去で得られた気づき(刺激)で何を感じて考えどう思うか(スペース,選択の余地),そしてこれから新たに何をするか(反応)というところに意味があります.

絶対に変えられない過去・現実,それらと自分の対比.

変えられない,変わらないと自分で決め付けないかぎり,自分は自分の意志と行動でいかようにも変えられます.

本には4人のタイムトラベラーが出てきます.
それぞれのタイムトラベルの面倒なルールに縛られて,追い込まれます.
追い込まれるがゆえ,必死になる.

そして,最高の気づきを得て現実に戻ると,変わらない過去・現実がありますが,見える景色が決定的に変化しています.

自分で自分を変えたからです.

感動のストーリー.読んでみてはいかがでしょうか.
コーヒーが冷めないうちに.