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35冊目,
湧井 学 世界からボクが消えたなら
世界からボクが消えたなら 映画「世界から猫が消えたなら」キャベツの物語 (小学館文庫)
- 作者: 涌井学,川村元気
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/05/07
- メディア: 文庫
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読了.
川村元気 世界から猫が消えたならの猫視点からの物語と思って読み始めましたが,
内容はかなり違ってました.
読み終わってから気付きましたが,本の背表紙に
”感涙のベストセラー原作の映画『世界から猫が消えたなら』を,主人公の飼猫であるキャベツの視点で描いた,感動の物語”
と書いてありました.
映画を見てないのでわかりませんが,もしかしたら,映画のストーリーを猫視点で描いたものなのかもしれません.
基本的な設定は,せか猫原作と大きくは変わりません.
しかし,悪魔はドライで残酷に,モノが消された時の影響がより露骨に変更されています.
そのため,モノを消すこときっかけに自分の人世にとって本当に大切なことに向き合うタイミング3つ,
1,消す前.このモノを消すと誰に影響があるのか精一杯想像するとき.
2,最後に一度モノを使う直前.モノにつながりのある人々に思いを巡らすとき.
3,消した後,そのモノがなくなった後に,喪失によって新たな気づきを得た時
のうち,3の比重が高くなっており,特に喪失感を強く感じさせるようになっています.
そして,主人公が最後の土曜日に猫を消すかどうか決める理由も,せか猫原作とは異なります.
せか猫原作と,この本は,設定が似通ったパラレルワールドの物語,似て非なるストーリーなので,原作を読んですぐに読むと若干頭が混乱しそうになります.
先入観を積極的に取り払って,それぞれの登場人物の微妙な設定の違いを確かめながら読むか,まったく原作を忘れたころに読むか,どちらかがおすすめかもしれません.