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佐々木 恵『部下も気づいていない「やる気」と「能力」を引き出す教え方』が参考になる!〜教え方にもコツがある!

こんにちは!

 

社会人で新年度といえば,ともに働くメンバー交代が生じる時期でもあります.

 

私の働いている職場でも今年は1名ドクターの交代が決まっています.
また,先月に新しい衛生士が着任したばかり.

 

このように,メンバー交代が生じるたびに,既存メンバーは職場で働くための方法を新人に「教える」ということが必ずつきまといます.

 

人によって,キャラクターやスキル,理解度は様々.

 

すんなり馴染んで実力を発揮してくれる場合もあれば,苦労することも.

 

「何か良い教える方法はないかなぁ.」
頭の片隅でひっかかっていた疑問に答えてくれる良書がありました.

 

家庭教師さくら代表・セミナー講師の佐々木恵さんの著書,
『部下も気づいていない「やる気」と「能力」を引き出す教え方』

 

数多く参考になる部分がありましたが,その中でも特に自分が注目した3ポイントをご紹介します.

 

 

コンテンツ

相手のレベル・理解度合いを把握し,「守破離」の段階に適合した指導を.

相手のレベル・理解度合いを把握するには,
「レポートのまとめ方は知っていますか?」
「今の説明,わかりましたか?」
という聞き方ではダメ.

 

イエス・ノーで聞くと,ついプレッシャーでイエスと言ってしまいがち.
わかりましたか?と聞くと,1割わかっただけで「わかりました」と答えてしまうことも.

 

的確にレベル・理解度を教える側が把握する方法として,
「〜について,知っていることをあげてみて」
「ステップを説明してみて」
とたずねて,簡単に説明してもらうとよいとのこと.

 

そういえば,自分の知っている・わかっているのレベルと,相手のレベルに大きな差があって驚くことがけっこうあります.

 

お互いのすり合わせを教える段階ごとに行うことは,とても重要だと感じました.

 

 

教え方も「守破離」が大切

相手の今のレベルがわかった上で.「守破離」の段階に合った指導法で対応していくことになります.

 

守破離とは,剣道や茶道における修行の段階を表したものです.

 

それぞれの段階で,教える側,教えられる側の関与度・自立度が変わります.

1,守:教え込む段階
関与度:自立度=9:1

2,破:自分で考える段階
関与度:自立度=5:5

3,離:ひとりでできる段階
関与度:自立度=9:1

レベルを見誤った過度な関与,ムリな自立は守破離不適合で成長効率が落ちてしまいます.

 

教える側は,教えられる側のレベルを細やかに把握し,守破離の段階にあった対応をしていくことが重要だと感じました.

 

自分で学ぶ際に「守破離」を適合させるのは大切だとわかっていましたが,教える際も大事なんですね.

 

 

「褒める」,「叱る」にはポイントがある

私は働く仲間に褒めるのが下手だと言われます.
意識して褒めると,「先生,嘘っぽい.」と言われたりすることも...

 

こちらの本では,そんな私も大変参考にできる,褒めるとき,叱るときにどこに触れればいいかのヒントがあげられていました.

 

 

ロバート・ディルツによって提唱された
「ニューロ・ロジカル・レベル」という考え方で,
人間の意識には6段階あるとされており,褒める・叱るポイントとして参考にできます.

1,環境:外から見てわかること,外的条件,外的環境
2,行動:その人がすること,考える事
3,能力:どのように思考するか,どのような肉体的スキルをもっているか
4,信念・価値観:何を大切にしているか,なぜやるのかといった根本原理
5,自己認識:自分は何者か,自分の役割は何か
6,関係性:その人がどのような人々や物事と関わりをもっているか

 

番号が増える内的な要素になっていきます.
1〜3は外から見える部分なので,褒めやすく,
4〜6は目に見えない部分なので,指摘するのが難しくなります.

 

私は褒めるのが苦手なので,まずは意識して「環境」「行動」「能力」に注目してみようと思います.

 

「その診療姿勢,いいと思うよ.」
「今度の処置のためにしっかり手順を書き出しているのは素晴らしいことだね.」
「まとまっている手順書だね,これなら処置のときも安心だね.」

 

意識的に褒め叱り力レベルアップのためにステップ1から頑張ります.

 

 

さいごに

話す技術,書く技術などとおなじで,
「教える技術」もあることがわかりました.

 

80項目それぞれに具体例と対処法,その根拠ができるだけ紹介されていて,自分の困っている部分から読むことができます.

 

教える技術を意識的に学んでこなかった自分は,
できるかどうかは教えられる側の問題だとこれまで考えていました.
それは誤りで,教える側にも大きな責任があると気づき大反省.

 

教えられる側ができないのは,教える側の自分の実力不足.

 

教えられる側がなかなかできない場合は,教える側にとっても成長のチャンス.

 

教えられる側の「できない」壁が見えたら,教える側として謙虚に乗り越える方法を研究して突破し,お互いの成長へとつなげようと思いました.

 

佐々木恵先生,素晴らしいご指導ありがとうございます!

 

リーダー,先生,上司,先輩,母親・父親,すべての教える立場にある方にオススメの一冊です.

 

ぜひお読みください!

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