ライフログ

「スタンフォード式 最高の睡眠」の著者 西野精治先生のお話を聞いてきました

6月8日,9日に青森市内で開催されていた第146回保存学会学術大会に行ってまいりました.

昨日は青森出張の疲れが少し出たようで,はなとのどの調子がイマイチでしたが,しっかり10時間近く睡眠をとって,しっかり元気になってこの記事を書いています.

6月8日の特別講演で,睡眠研究で著名な西野精治先生(スタンフォード大学医学部精神科 睡眠・生体リズム研究所)がご講演されておりましたので拝聴してまいりました.

 

歯科と睡眠がなぜ関係があるのか?と疑問に思われるかも知れませんが,「睡眠時無呼吸症候群」というワードをあげれば,「あー,なるほど」と思われる方も多いでしょう.

症例によっては歯科でマウスピースタイプの「スリープスプリント」を作成して対応することもよくあります.

 

睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は,高頻度に発症し,重症例では8年での死亡率が約4割と高く重篤な疾患です.

 

また,OSASの患者では,高血圧・糖尿病・脳血管障害・虚血性心疾患の発症率が高まります

 

Stanford Sleep Disorders Clinicでは,精神科医手動で睡眠外来を行っており,医師とともに歯科医師もチームに参加して治療にあたっているとのことでした.
一例としては,小児の顎劣成長により生ずる閉塞性無呼吸に対して,上顎急速拡大の治療指針が検討されているそうです.

 

最新の動物実験についての報告で,咀嚼と睡眠に関する話も興味深かったです.

かむ必要のないパウダー食を与えて育てたネズミに関する研究*を示して,
・頭蓋顔面の発達異常につながる.
・体重増加がみられる.
・睡眠・覚醒に関してメリハリがなくなる.
・絶食しても探索行動が鈍くなる.
など,咀嚼を阻害すると睡眠・覚醒のリズムや,覚醒時の行動,骨格まで影響が出る可能性があるとのお話をされていました.
*: Anegawa E, et al. Diet After Weaning Induces Sleep, Behavioral, Neuroanatomical, and
Neurophysiological Changes in Mice. PLoS One. 2015

 

時間も短く駆け足でしたが,スタンフォードでの睡眠研究の始まりから最新の研究まで,丁寧にお話されている印象でした.

 

興味がある方は是非こちらもお読みください.

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びっくり①

私も参加している「樺沢塾 精神科医の仕事術」の樺沢紫苑先生のオススメで「スタンフォード式 最高の睡眠」を以前に読んでおりましたが,まさか歯科の学会で睡眠研究の西野先生の話が聞けるとは思っていませんでした.感動です.

 

びっくり②

大学時代のサークルの先輩が,西野先生ご夫妻と直接のお知り合いとのこと.世界は広いようでかなり狭い!

 


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